getsumen520

 苦悩する四人(二六話)


 「しかし、いったい誰が、何を探らせるのか」
  誰にとはなく言った海老沢の言葉に、確かにそうだと皆は思う。スパイを送り込んで探らせたとして、それをどうやって地球へ伝えるのか。いまのところ無線は軍船にしかなく、地球へ向かって飛び立てる船は軍船のみ。往路だけで復路のない月では逃げ道さえなく詳細を報告する手段がないからだ。
 「あるいはアジ(=扇動)ということも」
  早苗が言った。
  何らかの指示を受け、状況を見て皆を扇動してとも考えられるのだったが、いまそんなことをしてしまえば月面都市の完成が遅れるだけで意味があるとも思えない。
 「核の起爆部が行方不明。それとレーザー砲の完成が気にかかるといったところか」
  このときまでのデトレフは、おそらくそこだと考えていた。核兵器を廃棄したとき起爆装置の行方が定かでないこと。二門ある高エネルギーレーザー砲は地球を攻撃する決定的な武器になる。レーザー砲はピンポイントでターゲットを狙える精度を誇る。
 「それらの監視あるいは無力化ということも。地球への報告など信号弾でもあれば事足りる。望遠鏡で月面は監視できるからね。報告の手段はあるということさ」
 「正体が知れたとして扱いが難しい」
  海老沢が言ってデトレフはうなずいた。処理してしまえば反目の意思ありと受け止められ、そうなると軍が送り込まれることになる。
 「まあ勝てるがね。いずれにしろ月が命運を握っている」
  デトレフの微妙な笑みに、三人はかすかな怖さを感じていた。デトレフは軍人なのである。
 「アジであれば素行不良で処刑する。それだけだ」

  早苗が言った。
 「復路がないことを承知で送り込むからにはスパンは長いと思わなければ。日本の忍者には『草』という者たちがいて、敵地の人間として何食わぬ顔で暮らしているの。やがて来る仲間たちが揃うまでとも言えるもの。スパイというより工作員と言ったほうがいいでしょうね。あるいはすでに・・」
  あるいはすでにと考えておくべきだろう。皆が眸を合わせてちょっとうつむく。月面には七万人を超える人員がいて、すでに潜り込まれているかも知れない。TIMES UPを知っているのは、ここにいる四人だけ。これからは盗聴にも注意しなければならなかった。
 「フリーセックスが危ない」
  早苗が言った。ジョゼットを求めたクリフ、そして早苗を求めたターニャ。デトレフも海老沢も近づく女たちに注意しなければならなくなる。
 「考えたくはないけれど」
  ジョゼットもかすかな胸騒ぎを覚えていた。クリフもターニャも、どちらもM。君臨する側はつい気を許してしまうだろう。
  デトレフは言う。
 「監視するしかあるまい。信頼しきれる者は少ない。疑いだせばキリがない」
  海老沢は、ジョゼットそれに早苗の肩をちょっと叩いて、デトレフに言った。
 「それだけでも送り込む価値があるということさ。しかしデトレフ」
 「うむ?」
 「敵の本意がどこにあるかだ。完成した月面都市を明け渡す確約があるのなら、あえて引っかき回すこともないからな。俺は地球の意思をずっと考えているんだが、ムーンシップに乗り込む者と、それを造る者たちは別。この先まだ四十年ある。若いスタッフも年寄りということさ」
  早苗が言った。
 「不要となった者たちを帰還させる意味がない?」
 「そういことだ」
  海老沢は見通していた。居住モジュールと水や食料を生産する工場が整備されれば人員は数十万人規模になり、人員にとって月が墓場となるということだ。

 「そのときのためということもあるわよ」
  ジョゼットの言葉にデトレフは直感した。水を汚染させるわけにはいかない。とすれば残るは・・。
 「エアーか?」
  スパイもまたムーンシップ完成のタイミングには老人ということになる。
 「なるほどね、そういうこともありそうだ」
  このときデトレフはTIMES UPの覚悟を決めたと言ってもよかっただろう。
  引き渡しのタイミングで反乱されてはすべてがオシャカ。月にいる大多数を葬って人員を一気に交換しようという企みなのか。またそれ以前のタイミングであっても加齢で能率が落ちてくるならまとめて葬ってしまいたい。
  居住モジュールのエアー循環は事故に備えてモジュールごとに分断できるよう設計される。毒ガスなり酸素の遮断なり、老いた先人たちだけを集めておいて抹殺できるということだ。
 「居住区を見直しましょう」
  早苗の提案。月面都市の建造がはじまって十一年。そのとき三十代で送られた者たちは四十代となっていて、居住区は先着順に割り振られていたからだ。
 「明日からさっそく引っ越しだ」
  デトレフは早苗と、海老沢はジョゼットと、それぞれムーンカフェを去っていた。

 「ターニャを捨てろって言うの? 可哀想よ」
  早苗の部屋で早苗は言った。

 「クリフを疑えって? いい子なのに」
  海老沢の部屋でジョゼットが言った。

 「持ち込める物は限られているが毒でも持ち込まれればおしまいだ」
  早苗の部屋でデトレフは言った。
 「全裸検査でもする? いまさら遅いわよ。すでに持ち込まれているということもあるでしょうし、そんなことをすれば怪しまれるだけだわ」
  もう考えたくない。早苗はデトレフの下着を剥ぎ取って萎えたペニスにむしゃぶりついていく。

 「いや疑うまでのことはしなくていい。態度を変えては怪しまれるし、企みを実行するにしても猶予はあるさ」
  海老沢の部屋で海老沢が言い、やりきれない想いに肩を落とすジョゼットを抱いてやる。
 「これで決まりだ、終わらせよう」
 「そうね、おしまいだわ。抱いて」
  今夜のジョゼットは脱がされる前にすべてを脱ぎ去り、男の海老沢を押し倒して裸身をぶつけていくのだった。

  超大型輸送船はすべてが埋められるわけではなかった。地中に埋められたのは四十番艦あたりまでで、それ以降の船はムーンアイを中心にひろげられていった地下都市を囲むように地上に整然と並べられている。
  作業現場での事故やふいに遅う隕石、太陽風など、警報が発せられたときに非難する場所がいることと、現場が遠ければ宿泊施設ともなり、さらに船体そのものが月へと送られた物資となるからだ。
  金属部分、電気部分、コードの切れ端からボルト一本まで、すべてが転用されるパーツとなる。汚物タンクに溜まった糞尿さえも回収して再利用されるもの。すべてが合理。月で生きるとはそういうことであり、したがって帰還できない船とされているのである。

  78番79番艦は月の軌道に入ると切り離されて、予定された位置へ導かれて着陸する。両艦ともに今回は人員優先であったが、月では調達できない食料そのほか、とりわけ水を生成する水素は大量に積んでいる。それらはその都度、着陸予定地まで整備される月面道路を通って運ばれるのだが、まずは人員が先。二千名の新たなスタッフは、作業員なら二十代前半、技師クラスでも三十そこそこと皆が若い。
  今回は男性千二百名、女性が八百名。人種で言うなら白人がおよそ七割、残りが有色人種という構成なのだが、もちろんすべてがHIGHLY。地球上でボディチェックをパスし手荷物検査されている。皆が溌剌とした若者ばかり。数名のスパイのために使命感に燃えてやってきた者たちを相手に全裸検査というわけにはいかなかった。受け入れゲートが設けられ、プラズマ小銃で武装した百名の兵士によって、身元の照合と、再度手荷物検査が行われ、役職別に振り分けられていく。

  それから数日のうちに、ホスピタルモジュールに女性ばかりが次々にやってくる。性を解放した女医としてSANAE YUKIMURAの名は知れ渡っている。避妊薬をもらうのだったが、やはり診察は必要で、そのために八百人のほとんどすべてが集まって来るのである。早苗一人ではとても足りない。もう一人の女医イゾルデはもとよ産婦人科医。問診のみで体は診ない。デスクを並べて二人がかりで問診するのだったが、それでも長打の列となる。
 「次の方どうぞ」
 「はい、よろしくお願いします」
  早苗の前に座ったのはすらりとした黒髪の女性。目鼻立ちのくっきりした顔立ち。一見して若い。髪はショート。洗髪のとき水を多く使えない。それで女性は皆がショートに切ってやってくる。
 「キッカ・アウレッタと申します、二十四歳です」
 「イタリア系?」
 「そうです」
  コンピュータで照合。地球上での検査データが即座に出てくる。
 「えーと、アレルギーはなし、持病そのほか疾患なし、いたって健康」
 「はい。それに間違いありません」
 「わかったわ、じゃあお薬を」
 「それであのう、先生は雪村さんですよね?」
 「そうよ、何か?」
 「お名前は存じております」
 「私は有名? 女性蔑視の医師として?」
  早苗は微笑む。ときどき嫌味を言っていく女がいる。私はそんな女じゃありませんと一言言わないと気が済まない。

  しかしキッカという娘はそうではなかった。
 「いえお訊きしたいことが。そのときの心構えというのか」
 「心構え? 何に対して?」
 「ですから男性とその・・そうなるときの」
 「なるほど、いい子のようね。では言います、月で女性は皆が女神よ」
 「まさにルナ?」
 「そういうことです。女はおよそ八千名、なのに男性は七万人を超えている」
 「あ、はい」
  戸惑うような童顔が愛らしい。
 「こういうことがありました。可愛い女性がいて素敵な男性がいた」
 「はい?」
 「誘われた女の子は今夜は焦らして明日の夜にと考えた。ところが翌日の作業の事故で彼が逝った。ちょっと宇宙服を破いただけよ。そのときの彼女の気持ちを考えなさい」
 「はい・・それは辛い」
 「ここは地球ではありません。ポーズなど無意味。私はそう考えて接しているわ」
 「相手かまわず?」
  これには早苗は笑った。
 「それはないでしょ、インスピレーションよ。そのときの心の動きに素直になる。想われて嬉しくない女はいない。生きているいまがすべてなんだもん」
 「わかりました。つまらない質問でした、すみません」
 「いいえ。戸惑って当然です。素敵なベッドを」
 「ぁ・・ふふふ、はい!」
  シルバーメタリックの綺麗なボディライン。ヒップが眩しい。やさしい娘。そう思うとTIMES UPに後ろ髪が引かれてしまう。

  月面望遠鏡ムーンアイのコントロールルーム。明らかに疲労困憊といった様子で早苗が入って来る。そのときジョゼット一人がそこにいて大きなモニタを見つめていた。新設されたムーンアイは行き来がずいぶんしやすくなった。
  ジョゼットがちょっと笑う。
 「疲れたみたいね?」
 「くたくたよ。イゾルデと二人で二百人よ。それでも残り六百いるんだから」
 「女の子たちウキウキじゃない?」
 「まあね。眸の色が違ってる。若いわよ誰もかれも。羨ましいわ」
  地球を終わらせることになる中性子星がモニタの中で美しいパルサーを放っていた。
 「悪魔め」 とつぶやいた早苗。ジョゼットは笑ってモニタを消した。
 「ところで早苗、ターニャとは?」
 「あの子は可愛い。もしスパイだったとしても突き放したりできないもん」
 「そうよね、私もそうだわ、クリフはいい子よ。言いつけた禁欲に耐えていて、ピンピンの先っちょをちょっと叩いてやるだけで涙を溜める。もうダメ、抱き締めてやりたくなってたまらない。スパイでもいい。どうでもいいって思えてきちゃう」
 「だから迷うのよ。論理的に正しくても、次の世代、その次の世代にもターニャみたいな子は大勢いるわ」
 「苦しいのはデトレフでしょう?」
 「そう。彼は強いから何も言わないけど、鉄槌は彼の手に握られる。彼のためなら娼婦になれる。マゾだって何だっていい、彼のためなら」
 「愛してる?」
 「禁句でしょ、それ。運命はともにあるとしか言えないわ」

  ジョゼットは、コントロールルームにもあるドリンクを二つのグラスに分けて差し出しながら言うのだった。
 「連絡ないって地球から」
 「それはそうでしょう、やすやすバレちゃう者を送り込むはずがない」
 「とにかくまずは生命維持にかかわる部分を軍が監視。それしかないって言ってたから。引っ越しも間に合ってよかったし。それだけでもジョエルって部下のお手柄だわ」
  輸送船が着くまでの数日の間に、居住モジュールの部屋割りを大幅に改変していた。ベテランと若手が混在するモジュールでは手が出せない。
  ジョゼットが言った。
 「ついさっきカフェを覗いた。ターニャはもてもて。笑顔も素直になったと思うし、とてもスパイだなんて思えない。なんなら貸し出しましょうか?」
  唐突と言われた早苗は意味が解せない。
 「早苗こそS、だったらクリフは嬉しいでしょ」
 「確かめてみろって?」
 「ううん、そうじゃない。遊んでやって欲しいのよ。私じゃ女王になれないもん」
 「いいわ、見透かせるとは思えないけど」
  そんなことを言いながら早苗は哀しげに笑って首を振る。ピュアに接することができなくなった。
 「地球の奴らが許せなくなる。獅子身中に虫を送るな馬鹿野郎。それにしても最先端にいて、医師の私がなぜどうして女王なの?」
 「ふっふっふ、それを言うなら私だって。笑っちゃう。地球上ならご立派な淫乱だもん」

  それからほどなく、早苗の部屋。消えそうなノックがした。居住モジュールの戸口にチャイムはない。四畳半相当の狭い部屋であることと、電力節約のため、むしろ先祖返りしたアナログルーム。
  ドアを開けてやると、若く逞しい白人男性。クリフがちょっと震えるように立っている。貸し出しを言い渡されてやってきた。すがるような透き通った眸が素敵だと早苗は感じた。
 「お入り」
 「はい早苗様、どうかよろしくお願いいたします」
 「言いつけられてやってきた?」
 「はい。早苗様を失望させたら拷問ですよと言われており」
 「あらま拷問? どうやって?」
 「もう射精は許さないって」
 「なるほど、それは拷問だわ、ふふふ」
  ジョゼットの想いを察すると可笑しくなる。彼女のSなど可愛さあまった苦し紛れの前戯。見え透いてる。
 「脱ぎなさい」
 「はい早苗様」
  シルバーメタリックのスペーススーツはフロントファスナー。脱げば淡いブルーの紙のブリーフ。男性は皆が同じ。このとき早苗はシルバーメタリックの女王であった。

 「もっとそばへ。立って脚を開く」
 「はい早苗様」
  全裸で立って脚を開き両手は頭。脱ぎ去ったクリフは胸板が隆起して逞しく、もちろん体に傷などなかった。
  ベッドに座る早苗の前に長身のクリフが立つと、すでに反応をはじめている男性の部分が突きつけられるようになる。そしてそれは見る間に成長。血管を浮き立たせて赤黒く屹立した。太く長いペニス。長く続く禁欲で実弾を溜め込んでいるようで、いまにも爆発しそうに亀頭を脈動させている。
  早苗はそっと手をやって睾丸をくるんで揉み上げてやり、限界まで血を飲んだペニスをくるんで握り込む。
 「硬いわ、それに熱い。触れられて嬉しい?」
 「はい出そうです、嬉しいです女王様」
  感極まって白い全身に鳥肌が立っている。かすかな加虐心が湧き上がって攻撃性を生んでいく。早苗は開いた手の甲で逆にリストを返して下から睾丸を叩き上げた。
 「ぅく! く、くぅ」
 「ジョゼットはこうしてくれる?」
 「はい、もっと強く打たれますし踏みつけてもくださいます」
 「こう?」
  次には握り込んだ拳の甲でボコと殴る。
 「ぐむぅ! むぅ!」
  一瞬内股に膝を締め、しかしすぐに膝をゆるめて性器を突き出す。亀頭の先から透き通った粘液がくっぷりあふれて流れ出す。
 「ジョゼットはしてくれるでしょ? 体に入れてくれて?」
 「はい。そのたび私は泣きながら射精します。抱いてくださり嬉しくて嬉しくて」

 「最後にこうして抱いていただけ、嬉しくて。ああボス、ミーア様、ありがとうござます、マリンバは幸せです」
  二人で責めた。マリンバの白い女体に一本鞭の血腫れが無数にあった。けれども悲鳴は糖度を増して、おびただしく濡らして果てるように崩れ去る。
  歳だから相手にされない。マリンバがそう感じていたことを知った男たちが群がって犯し尽くす。女たちが、あの頃とは意味の違う鞭を振るい可愛がる。肌の衰えはどうにもならない。垂れる乳房も尻肉もどうにもならない。それでもマリンバは牝の人生を謳歌していた。
  ボルト固定のステンレスの首輪は外されない。外してやったら、それは奴隷としての終焉を意味するもの。生涯スキンヘッド。生涯陰毛のないデルタ。常に濡らす奴隷の日々がマリンバの生きる支えになっていた。

  責め抜かれて力が抜けきりフロアに崩れて立てないマリンバ。ミーアの黒い裸身と留美の白い裸身が奴隷の肉塊にからみつき、マリンバはカッと眸を見開いて、けれども景色はぐるぐる回る。夢のごとき快楽。
  全身の毛穴という毛穴から愛液のようなイキ汗が噴き出して、のたうちもがき、至上の歓びを悲鳴に代えて表現する奴隷。ボスの舌先でクリトリスを舐められる快感はマリンバに失禁をもたらし、そしてボスの顔へと飛翔をふりまく。
 「ああ申し訳ございません、汚してしまいました」
 「いいのよ、私たちは獣、可愛いわよマリンバ」
  半ば失神から引き戻されたマリンバは、留美の顔にかけてしまった尿水をべろべろ舐めて吸い取っていく。

  女王となった早苗。健気なクリフが可愛くてならず、膣舐めを許したとき、べろべろと巧みに責めるクリフの愛撫に悲鳴を上げてのたうった。ジョゼットの言葉が頭の中で反射している。スパイだってかわまない、クリフが可愛い。
 「おぅぅクリフ、ダメ、もうダメ、いいわよおいで、来て、ねえ来て!」
  それまでに手技で一度果てていたクリフ。それでも漲るパワーに変化はなかった。
 「熱いわ、太いのね、あぅ! んっんっ! あぁぁーっクリフーっ!」
  早苗は錯乱していた。まさかM男を責めるなんて思ってもみなかった。睾丸を蹴ってやり、乳首に爪を立てて悲鳴を上げさせ、靴で亀頭をひっぱたく。暴風となって荒れ狂うサディズムを満たしたとき、残ったものは母性。
  我が子を抱けずに終わっていく自分自身の女体を想い、だからよけいにクリフが可愛い。

  人間は、なんて素敵な生き物だろう。

  ムーンアイで見せつけられた七色のパルサーを放つ美しい悪魔が憎くなる。
  TIMES UP。もういいわ。人類が醜悪な生き物となる前に終わらせよう。ムーンシップは生殖工場。女は家畜。そんなの違う、間違ってる!
  心の中で叫び、その叫びをイキ声に代えながら早苗は失禁して果てていく。