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カウンセリング(十七話)


  ムーンカフェ。
  そのとき月は、およそ半月続く夜の側に入っていて、天文学者であるジョゼットにとっては本来観測についやすタイミングだったのだが、もちろん望遠鏡につきっきりというわけではなかった。
  ジョゼットはできる限りカフェにいようと考えている。地球上のように思うままにリフレッシュできる環境は月面にはないと言ってよかっただろう。月面都市の建設は順調に進んでいたが、閉鎖的きわまりない地下の世界を劇的にひろげるまでにはいたっていないし、地球上とは違う一日のサイクルが、朝起きて夜に寝るというあたりまえの本能を狂わせてしまう。人間は月に生きるようにはできていないということだ。
  そうした中で精神的に追い詰められていく者は少なくなった。ときどきカフェを覗いてはカフェのママと語り合う。それだけのことで心のバランスを保とうとする者が多いということ。ジョゼットはできる限りカフェにいて話し相手になろうとした。解放できない本能、とりわけ性的なファクターで悩む者がたくさんいる。

  そのときはカウンターの中にジョゼットがいて、女医である早苗が紅茶を飲んでいた。早苗は言った。
 「最初から進言してたのよ、こういうことになるからねって。いかに壮大なミッションであってもそこにいるのは人そのものよ。どれほど科学が進んだって動物的本能と向き合わなければならなくなるし、人間のそれは生殖セックスだけじゃないからね」
 「それわかるなぁ。様子がおかしいから訊いてみると素直に話す子がいて、人ってどうしてこう複雑なのかと思ってしまう」
 「ビアン、ホモ、マゾヒズム、サディズム、ありとあらゆる欲求を隠していて、それに閉鎖性が加わって揺れてくるのよ」
  とそこへ、若い建築技師が入って来た。
  一足先に来ていた早苗とムーンカフェで待ち合わせ。男の名はクリフと言って二十八歳の若者だったのだが、きわめて優秀な頭脳の持ち主。志願して月面に送られて三月ほどが過ぎていた。背も高く、選ばれて送られてきただけの健康な肉体を持っている。
  しかしこのクリフ。早苗にすがるように性的な苦悩を打ち明けていたのだった。
  クリフは、とりわけ女性に対しては礼儀正しい。ただしそれは特異な性癖によるところが大きかった。

 「ここへ座って」
 「はい、お邪魔いたします。僕のためにありがとうございます」
  ジョゼットは初対面。好感の持てる若者だったが、その眸がひどく哀しそうに思えてならない。早苗の横に座ったクリフ。体は大きくても、どこかしら弱く思えたジョゼットだった。
 「ジョゼットよ。ムーンアイで宇宙を探る専門家ですけどね、いまではすっかりカフェのママ。何でも話せるいい人よ」
 「はい、存じ上げております。はじめまして、クリフと申します。歳は二十八になりますが」
  早苗に紹介されてクリフはちょっと笑って頭を下げた。童顔とまでは言えないものの若くて可愛いという印象。ジョゼットよりひとまわりほど歳下だったからかも知れない。
 「彼女なら聞いてくれるわ。お話ししてごらん、私に打ち明けたように素直にね」
 「はい」
  白人男性。見る間に白い頬が赤らんでいく。
 「私はどうしようもない性癖に苦しんでいます。地球を発つとき姉と別れ、姉と言っても義理の姉、つまり兄のワイフなんですけれど」
  そしてちょっと眸を上げてジョゼットを見つめる。白い顔が真っ赤になってしまっている。

 「お慕い申し上げた女王様だったんです」

  やっぱりね。そういうことだろうと察していたジョゼット。ピュアな想いが内向きに働いて、ナイフの切っ先のように心を突き刺してしまう。ジョゼットはチラと早苗と眸を合わせた。解放されない月面空間は牢獄のようなもの。痛々しいとジョゼットは思うのだったが。
  早苗が言った。
 「マゾヒズムに苦しむのは彼だけじゃないの。勇気ある子だわ。どうすればバランスを保てるだろうって打ち明けてくれたのよ。女の子にもMは何人かいるって話は聞くし」
  ジョゼットは微笑んでクリスに向かってうなずいて、そして言った。
 「いいんじゃないかしら、おかしいとは思わないわよ。いつでも話しにいらっしゃい。女が四千人もいればS女さんだっているでしょうし」
 「あ、いえ、どなたでもいいということではないんです」
  そしてクリフはまっすぐな眼差しをジョゼットに向けるのだった。

  もしや私・・。

 「月に来て間もない頃、私を見かけたそうなのよ。キュンとしちゃって、でもだからカフェには来られない。苦しんで苦しんで早苗に相談したってことらしいの」
  ジョゼットが思いもしなかったことを言い出した。海老沢はちょっと眉を上げて微笑んだ。ジョゼットは言う。
 「私じゃなきゃダメなんだって。あのとき私、いきなり胸が苦しくなって、想像しちゃった、あの子に君臨する私の姿を」
 「ふふふ、なるほどね。君がそうなってくれればクリフはさぞ幸せだろう」
  ジョゼットは困惑していた。すがるような眸を向けられて母性が騒ぎだしていたからだ。
 「笑い事じゃないのよ、逃げ場がないでしょう。SMクラブでもはじめて二人でミストレスやろうかって早苗が笑ってた。ほかにも体と心が一致しなくて苦しむ人もいるんだって。早苗が性を解放したって話を知って早苗なら聞いてくれると思ってカウンセリングにやってくる。クリフのことも早苗は言うわ、私を想ってくれてるなら躾けてやってもいいけれど、惚れてるのはジョゼットなんだもん、なんだよそれってカンジだわって」

  人類の科学力を結集したプロジェクトのはずでも、そこにいるのは日々苦悩する人々ばかり。考えてもみなかったことが次々起こると海老沢は思うのだった。
  大前提がある。そんなことでもし規律が乱れることがあれば、デトレフはそれを処理しなければならなくなる。
  ジョゼットは言う。
 「ここが地球なら、おととい来やがれ馬鹿野郎って言ってやるんだけど、クリフはとってもいい子なんだし」
 「ドキドキしてる?」
 「してるよ、もちろん。そんな話があったのは一週間ほど前ですけれど、それから毎日クリフは覗くわ。話したくてたまらない。せめて私のそばにいたい。そんな気持ちがわかるから嬉しくなっちゃう」
 「何を戸惑う?」
 「え・・」
  海老沢の言葉がジョゼットの背中を押すことになる。
 「であるなら、君の中にもきっといる魔女の自分と語り合うべきだろう」
  怖がっているのは私自身。そのことに気づかないジョゼットではなかった。

  新設された地下空間、ムーンシティ一号館、MC1-L1。ジョゼットの居室。
  いかにも洗練されたネーミングではあったがスペースとしては四畳半スケールの小さな部屋。消え入りそうなノックがあったのは、その日の夜。夜といっても毎日終日夜なのだが。人は太陽の恵みでリズムをつくる。リズムがなければ心が定まらなくなってしまうもの。
  ドアを少し開けてやるとクリフは恥ずかしそうに立っている。そのときジョゼットは地球上ではあり得ない紙の下着。薄いピンクのブラとパンティ。居室は空調が行き届き、寒くもなく熱くもない。
  クリフはシルバーメタリックのスペーススーツ。それもまた着用を強制される非人間的な無個性だった。
 「いいわよ、お入り」
 「はいジョゼット様、お招きいただき、ありがとうございます」
  そんなMっぽい対応だけでジョゼットは不整脈。
 「私の部屋も無機質そのもの。妙な物は何もない。まさかね、地球へメールしてボンデージファッションを送らせるわけにもいかないし、ふふふ可笑しい」
  ジョークで笑うと、クリフはすでに顔が真っ赤。
  ジョゼットは美しく熟れた女体の上下を紙の下着でつつんでいて、跳ね上げ式のベッドを跳ねてしまって、かろうじてできる狭い室内に小さなパイプ椅子を置いて座っていた。

  目の前に立つクリフ。
 「過去のことは忘れるように。私との新しい時間よ」
 「はいジョゼット様」
 「私なりの躾けをしていく。服従なさい」
 「はいジョゼット様、どうぞお心のままに」
 「ほんとね? 約束できる?」
 「はいジョゼット様、きっと」
 「よろしい、脱いでお座り。全裸です」
 「はい。はぁぁはぁぁ・・ああ女王様、嬉しいです」
  乱れる熱息。スペーススーツのジッパーを下げ、レオタードを脱ぐように取り去ると、男性用の淡いブルーのペーパーブリーフ。それさえ脱ぐ。そのときすでに若い男性は反応し、抑圧されたスプリングが跳ねるように直立した。クリフの白い裸身が真っ赤になって上気している。
  座面の少し高い椅子に座るジョゼット。クリフは膝で立って勃起するペニスを捧げるように尽き出して、両手を腰の後ろへ回して組んでいる。
 「ピンピンね。嬉しいの?」
 「はい女王様、嬉しくてたまりません」
  語尾にいくにしたがって消えていく声が綺麗な男の涙に変わっていった。

  可愛い。

  ジョゼットは少年を見守るような心持ちになれていて、真上を向いてビクビク揺れる亀頭が可笑しく、パシンと手先ではたいてやった。バネ仕掛けのオモチャ。そのとき唇を噛んで眸を閉じたクリフだったが、涙があふれて頬を伝う。
 「可愛いわよ、さあおいでクリフ」
  ペニスを強くつかんでやって裸身をたぐり寄せ、そのまま紙のパンティに覆われたデルタへと顔を押しつけ、腰を抱かせてやるのだった。
  クリフが震える。
 「震えてる。嬉しいわよ、そこまで感動してくれれば女冥利。 あれからね、」
 「はい?」
 「毎日おまえはカフェを覗く。熱い眸で見つめられて私は濡れたわ。それはいまもそうだから。どうしてなんだかわからない。私の中にも魔女はいる。罪な子よ、おまえって子は。魔女が目覚めた。どんな魔女なのか私にもわからない」
  椅子に座って少しだけ腿を弛めた白く柔らかな谷底へクリフは鼻先をこじ入れるようにして女王の匂いを吸っている。
  ジョゼットもまた羞恥。けれど濡れて濡れてたまらない。
 「テーブルをここへ。おまえはその下に潜り込む」
 「はい女王様」
  白い丸テーブルを椅子の前に置き、その下に大きな裸身を丸めるクリフ。ジョゼットはテーブルに両足を上げてしまい、腿を開いて股間を分断する紙のパンティを見せつける。

 「脱がせて。きっとひどく濡れてるわ。よく舐めて気持ちよくして」
 「はい女王様、夢のようです、ああそんな、嬉しいです」
  少し浮かせた尻の横へと手がまわり、するすると脱がされていく。紙の下着の底辺に蜜液が糸を引き、張力の限界でぷつりと切れて下着と性器に濡れが分かれ、愛液は分断されていくのだった。
  少しだけ茶色がかった金色の陰毛。抑圧する紙がなくなって絨毛はふわりと膨らみ、奥底のピンクのクレバスを露わにする。色素が薄い肉リップに蜜がからみ、さらに蜜は湧き出して、香りを放って奴隷を誘う。
  ジョゼットは目を閉じず、一心に性器を見つめて迫ってくる奴隷を見ていた。
  クレバスに触れるだけのキス。
 「ぅ、ぅン」
  舌先がのばされて花合わせをなぞるように蜜を舐め取る。
  感じる。狂っていく予感がそう思わせるのか、これまでこんな愛撫を知らないとジョゼットは思っていた。
  目を閉じたクリフの睫毛が金色に長く、それが涙をからめて濡れている。
 「いいことクリフ、約束なさい」
 「はい?」
 「女は私だけよ。いい子にしてないと捨てるからね」
 「はい女王様、お誓いいたします」
 「私のことだけで頭がいっぱい。オナニーなんて許しません。ちょっと触れられただけで精液をトロトロ漏らせるようになりなさい」
 「はい女王様、お捧げします。ああ女王様・・」

 「ふふふ可愛いわ。さあ、よく舐めて」
 「はい!」
 「あぅ! く、く、くぅ! あ、あっ! あぁぁー感じるぅーっ」
  小さな椅子も、脚を上げたテーブルも、そしてジョゼット自身の白い裸身もガタガタ震えた。信じがたいアクメがいきなり襲う。白く柔らかな腿の間にクリフの顔をこれでもかと挟みつけ、ジョゼットは、もがくように髪を振り乱して声を上げた。
  イクという感覚をはるかに超えた激震に襲われた女体。自ら紙のブラを跳ね上げて形のいい乳房を揉んだ。 しこり勃つ乳首を指先で捉え、痛いほどに揉みつぶす。座面に置いた尻が浮き、クリフに尻を抱かれ、その尻肉がきゅっきゅと締まってブルブル震える。
  カッと目を見開く。けれども景色がぐるぐる回る。錯乱する快楽。ジョゼットの中に隠れ棲んでいた魔女が目覚めた瞬間だった。
 「いいことクリフ、私だけの男におなり」
 「はい女王様、ああ美味しい蜜です、嬉しいです」

  これがサディズム?
  朦朧とする意識の中で、ジョゼットは、私なりの奴隷とはどういうものかを考えながら、クリフの口の中に失禁を放ってまで果てていく自分をどうすることもできなかった。
  狂う。こんなことがクセになったら私は愛の化け物になってしまう。

 「あぅ! く、く、くぅぅ! あ、あぁぁ! 感じますボスぅーっ!」
  男も女たちも皆で囲む牝豚。H鋼の柱からチェーンを外され、生涯外されることのないステンレスの首輪をされた全裸の奴隷。眉毛さえ奪われた一切毛のない白い人豚。膝で立って両手を頭の後ろに組んでいて、椅子に座った留美の前で留美だけを見つめていながら錯乱する姿。
  留美は毛のない股間に手をやって、淫乱に濡れる性器をいたぶった。
 「ミーア、鞭よ」
 「はいボス」
  バシーッ! 手加減のない乗馬鞭が、それでなくても感じてぶるぶる肉を揺らし震える尻を痛打した。
 「ぎゃ! ああボス、感じますぅーっ!」
  ビチャビチャといやらしい蜜鳴りが股間の底から聞こえてくる。
 「こうされて嬉しいんだね? 心から?」
 「はいボス、心から。あぁ、あ、あ! 果てます、ああイクぅーっ」
 「ミーア」
 「はいボス」
  バシーッ!
 「ぎゃう! むうぅ、ありがとうございます」
 「感謝するのは私じゃない、ミーアそれにジョアン、マットもそうだし、みんなもそうだよ。私らに守られていることを思い知るんだね。ミーア、もっと鞭」
  バシーッ、バシーッ、バシーッ!

  泣きじゃくっていながら鞭から逃げずに尻を突き出し、懸命にうなずく人豚。
  しかしいい顔になってくれたと留美は思う。眸に生気が感じられる。あれから本気で躾けてきたのはミーアだった。一度は消えかけた鞭痕が全身に浮き立っている。ミーアの厳しい調教が牝豚の死んだ眸を生き返らせた。
  留美は、愛液が泡立ってまつわりつく指を抜く。牝豚がそれを懸命に舐め取って綺麗にする。留美はそのときの泣き顔を見据えながら言った。
 「皆はどうか?」
  声はなかった。声がないことにちょっと笑ってバートが言う。
 「ま、そういうこったぜ、どうもこうもねえだろう」
  留美は牝豚に向かって眉を上げた。
 「ということだよ、許しはしないが飼ってくからね。もういいミーア、連れてお行き。犯したければ犯してやる責めたければ責めてやる、可愛がるならそれもいい」
  家の裏のガレージのさらに裏。男たちが拓いた土地に、粗末ながらも新しい小屋が建った。全裸の牝豚はガレージの鉄柱から、その新しい小屋の一画にある広さ三畳ほどの奴隷部屋へと移されて、鉄のフックにチェーンがかけられつながれる。そこにはシングルサイズのベッドが置かれて着衣も許され、暖房もストーブが置いてある。
  そのためのテスト。皆で囲んで奴隷の成長を確認する場であった。冬本番となって冷えてきていた。

  ボスの部屋ではあったが、そこはかつてのアニタの部屋。それより広く、かつてルッツがいた主の部屋にはバートがいて、女たちが入れ替わって眠っていた。
  ガレージから戻って横になると、新しい部屋に牝豚をつなぎ直したミーアが戻り、消え入りそうなノックをする。そのとき時刻は夜の十時を過ぎていた。
  同性の留美と二人になると、ミーアはためらわず裸になって平伏した。あれからミーアの女王は留美そして女たちのすべて。女の中で下級でいたいと願うからにはしかたがなかった。
 「おいで、ご褒美よ、よくやったわ」
 「はい女王様、感謝の想いに震えます」
  留美は下着。全裸のミーアを乳房に抱いてやって、ミーアが留美の背に手をまわす。
 「ほっとしたよ」
 「はい。嬉しいって泣いてました」
 「どのみち私らが最後の人類。そう思うとね、生かしてやりたいと思うんだよ」
  このときもちろんミーアもまた七十年後の地球の終焉を聞かされていた。
 「だからねミーア」
 「ふふふ、はい、わかってます。バート様がいつでも来いって笑ってました」

 「脱がせて」
 「はい女王様」
  ブラ、パンティ。それだけで留美は牝になれる。
  陰毛のない黒い肌へと指を這わせ、谷底に落ち込むと、そこはすでに熱を持ってトロトロに濡れている。ラビアのまくれ上がる感触、そしてヌルリと飲み込む細い膣。ミーアは震える。
 「そう言えばコネッサは責めてくれた?」
 「いいえ、やさしい人ですから、ほんの少し鞭を」
 「痛くて嬉しい?」
 「はい」
 「相変わらずわからない。私はねミーア、いつの間にか責められてみたいと思うようになっている私自身がわからないの。私の中には強烈なサディズムが潜んでいる。マットがそうだわ。あの子といると虐めてやりたくてたまらない。なのに可愛くなって抱いてしまう。よしよしって、まるで子供を抱くように」
  ミーアはわずかにうなずくと、腿を割ってすべてを晒し、留美の指を受け入れた。それからの激しい反応を留美は醒めた眸で見つめている。

  愛にピュアと、そんなありきたりではすまされない心の暗部。それでいてミーアはとろけるように果てていく。
  亮の体を思い出す。ちょっと触れられ、体の中に入ってくると、いまにも錯乱しだしそうなアクメが怒濤のごとくやってくる。相手が亮なら奴隷になれる。ふとそんなことを考えてしまう留美だった。
  そう言えばパナラット。HIGHLY中のHIGHLYと言える、あの知的なマルグリットがパナラットにぞっこんで、『私の野生はビアンだった』と笑っている。

  だったら私は何者なの? 狂おしく果てていくミーナのことが羨ましい。