2017年01月28日

DINKS~フリーランサー(二三話)


二三話


 プロダンサーの見事な裸身を鞭打ちで真っ赤にされて踊るようにディルドで突き抜く凄惨なオナニー。サリナほどの美女にとってこれほど醜悪なセックスもないのだろうが、それより友紀は、女五人が揃って下着姿となったことでスイッチが入ったらしいケイとユウを観察していた。

 ケイは激しい性が好みのよう。治子とのベッドをリードする側だと想像できた。グラマーな肢体は性的魅力にあふれている。乳房はDサイズ。青の花柄のブラからはちきれんばかり。大柄でもウエストはくびれて締まりダイナミックなカーブを描いて尻が張り出す、日本人離れしたボディシェイプ。

 がに股に腿を割って尻を前後左右にスイングさせ、陰毛のないデルタの奥底をディルドで犯し抜くサリナの姿を、ケイは嬉々として見つめていて、暴発寸前の肉欲にギラつく眸を輝かせ、息を殺していながら吐息は熱く、自分でブラ包みの乳房をわしづかむようにして胸のふくらむ苦しげな呼吸を繰り返す。天性の淫婦を想像させる、じつにいい表情をすると友紀は思った。
 このときケイと治子はロングソファに並んで座っていたのだが、ケイの片手が治子の白い腿を揉むように撫でていて、治子もそれを拒まなかった。治子は鮮やかなオレンジ色のランジェリー。日頃そうして濃密なレズの世界を泳いでいるだろうと感じられる。

 それとは対照的に、yuuもユウも、懸命に女王に尽くそうとするM女の姿を刻みつけておこうとするように真剣な面色で叫び狂うサリナの声を聞いていた。嬲られつくしてすでにイキそうな裸身をこれでもかと鞭打たれた直後の際限ない快楽。サリナはケダモノ。吠えるようにアクメを訴え、がに股に開いた股下のフロアに愛液を散らしてイキ続けている。
 二人ともM女。そんなサリナの気持ちをわからない二人ではない。

 今日のyuuは落ち着いた黒の下着。胸はCサイズでハーフカップのブラから白いふくらみがあふれていたが息は静か。同じM女としてサリナの想いに同化しようとするように、わずかな微笑みをたたえながら、やさしい面色で見守っている。
 もう一人のM女、ユウはユウで、サリナに揺さぶられる興奮よりも、自身の姿をサリナに重ね、女王モモに調教される奴隷として私もこうなりたいと思っているのか、身につまされる面色で見つめている。
 今日のユウは真っ赤なブラとパンティ。胸はAよりわずかにふくらむぐらいだが、人一倍激しい女心を秘めいている。今日集まった六人の中で負けたくないという想いが選ばせた赤ではなかったか。そう思うと健気で可愛い。

 そのユウがとっさに身を乗り出して手を差しのべるような仕草をした。
 友紀がサリナへ眸をやると、サリナはついに床に崩れ、ディルドを握る手の動きもなくなって気が遠のいているようだった。ふるふる体を痙攣させて裸身を投げ出す。
 よくやったよ、抱いてあげたい・・ユウの顔にそう書いてあるようだ。

 友紀は穏やかな笑みをたたえて椅子を立ち、荒い息に乳房を揺らしながら動かなくなったサリナのそばへとしゃがみ込む。今日の友紀はワインレッドの下着を選び、皆の目には年嵩の分だけ妖艶に映っていたのだろう。
「気持ちよくイケたみたいね」
「・・夢のようです・・溶けそう」
 サリナの髪をそろりと撫でつけ、さらに言う。
「今日はみんなの共有奴隷よ。五人女王。このぐらいじゃ許さないわ、狂うほど責めてやりますからね」
 それから友紀は四人を振り向く。
「頑張ったんだもん、ご褒美をあげなくちゃね」
 皆は微笑みながらうなずいている。
 サリナに命じた。
「上を向いて寝なさい。私たち女王の濡れを舐めて綺麗にするの。わかったわね?」
「はい、女王様・・サリナは・・」
「なあに?」
「幸せです」
「よろしい、それでいいのよ、可愛いマゾになっていこうね」
 サリナは女王の微笑みに笑顔で応えながら、友紀は、赤くなった右の乳房の先の乳首をツネリ上げ、サリナは心地いい痛みに覚醒するように体を動かして仰向けに寝直した。

 友紀は立って振り向いた。声の響くライブな板の間。サリナへの命令はもちろん皆に聞こえている。
 誰が最初に奴隷の顔をまたぐのか、友紀はちょっと考えた。
「じゃあこうしましょう、最初に誰か。次に私。それからは次々に。ふふふ、さて誰かってことなんですけど、私が指名していいかしら?」
 異論はなかった。
 友紀は四人を見渡して、困ったような・・かすかな怯えをはらんだような眸を向けたユウを見つめる。

 ユウの瞳は魅入られたように動かない。そらせなくなっていると言ったほうがよかっただろう。いつか下に寝るのは自分・・きっとそうなると思い描く羞恥心とマゾへと向かうかすかな恐怖。弱い女の眸の色だ。
「ユウちゃん」
 名を言われたとたん、それでなくても小柄な体がなおさら小さく感じられる。赤い下着で隠すだけのユウは椅子を立ち、胸の内では震えていますと言うように息を殺して歩み寄る。
 すれ違いざまに友紀はユウの手を引いた。
「あっ」
 友紀の腕の中にすっぽり収まって抱かれるユウ。驚いたような視線が愛らしく、友紀は微笑んで眸を見つめた。
「濡らしてるわね?」
「・・はい」
「ユウもいい子、自信を持って」
 鼻先を鼻先でくすぐるように笑顔を寄せて、友紀は唇を重ねていった。ユウの体から緊張が抜けていき、ユウはキスを友紀に委ねた。舌の絡む深いキスへと進んでいく。
「今日はユウも女王様よ、ほらほら胸を張って!」
 背中をぽんと叩いて押した。

 安心したようなユウの笑顔。怯えの色が消えていた。自分に自信が持てなくて苦しんだ日々から解放されていくようだ。
 歩み寄って微笑んで見下ろしながら、微笑んで迎えるサリナの顔をまたぎ、赤いパンティを下ろしつつ膝を折って奴隷の口元へ花園を寄せていく。皆の座る位置からならユウは横を向いていて、開かれた尻やデルタの毛はあからさまには晒されない。線の細い華奢な肢体。 

「頑張ったね、ご褒美よ」
「はい、ユウ様」
「私も私の女王様にこうするのよ。ご褒美におしゃぶりさせていただくの」
「ふふふ・・はい」
 サリナはユウがモモというニューハーフの女王様に仕える身だと聞かせれている。
 サリナの眸を見つめて言う。
「よく舐めて。恥ずかしいほど濡れちゃった」
 それからは性器がかぶさりサリナの声は聞こえない。

「ぁン・・サリナ・・いい・・すごく感じる・・」

 横から見ていてユウの細い腰が反り返り、ユウは唇を噛んで顎を上げ、うっとり目を閉じ、後ろ手にサリナの乳房を押さえるように身を支える。
「あぁぁサリナ・・奥までちゃんと舐めなさい」
 はいとサリナが顔を上げてうなずこうとすると性器への圧迫が強くなり、ユウの甘い声が大きくなる。
「はぁぁーっ・・んっんっ・・」
 腰が入ってクイクイ動き、性器をこすりつけて貪るユウ。この子もいい奴隷になっていくと友紀は感じ、ふと横を見るとyuuが輝く視線でユウを見ている。

 そしてそのとき、治子のかすかな甘声が流れてきていた。ケイと治子が身を寄せ合って、ケイの手が治子のブラ越しの乳房を揉んでいる。治子は眸を閉じてされるがままに委ねていた。ケイは能動。たまらなくなって仕掛けていく貪欲さがちょっと可笑しい。
 そんな二人にyuuも気づき、友紀と眸を合わせて眉を上げ合った。
 この後サリナをケイに委ねてみるのも面白いと友紀は思う。

「あぁーっサリナ」
 ユウの尻が暴れだし、サリナの頭を両手につかんで腿を締め、あぅあぅ声が聞こえたとたん、ふっと力が抜けて体が震えた。浅いアクメ。ユウは腰を浮かせてサリナにキスをしてやって、立ち上がるとパンティを穿き直し、そのとき別人のように穏やかな女の眼差しを友紀に対して向けるのだった。

 同じように女王友紀。友紀は奴隷に奉仕させつつ、ずっとサリナの頬を撫でていた。友紀にとってSMなどしているつもりはさらさらなかった。こうすることが愛の表現。
「アナルまで綺麗になさい」
「はい・・ンふふ、女王様ぁ」
「可愛いよ」
「はぁい」
 サリナの目尻から涙が流れ出すのをじっと見つめてyuuが言った。
 このときyuuのそばにはユウが座り、yuuはユウの手に手を重ねていたのだった。
「驚いちゃった・・素晴らしい女王様だわ」
 ユウがうなずく。
「毎日オフィスで一緒なのに・・普段の友紀さんからは想像できない姿だもん」
 yuuは言う。
「そうかしら? 友紀さんは激しい人よ。ご主人様がおっしゃってた・・『いつか折れなければいいが』って」
「そうなんですか? 友紀さんが折れる?」
 yuuはうなずきユウの手を撫でながら友紀を見ていた。白く流れるような女王のヌードラインが美しく、サリナはさぞ満たされているだろうとyuuは感じた。
 yuuが小声で言った。
「友紀さんてちょっと自分と戦いすぎだわ。じつは傷だらけ。サリナさんもそうだと思うし、だけどもう二人とも大丈夫・・ふふふ」
 若いユウは言葉の意味を探るようにyuuの横顔を見つめていた。

 柔らかな腿で挟みつけるようにして懸命に奉仕するサリナの様子に微笑みながら、友紀は、ポーズの通用しないこういうシチュエーションで、日頃どちらかと言えば控えめな治子がどう変化するのだろうと、そのことにも興味があった。
 治子とは共通点がある。妊娠を望まない。女だからという理由で当然のように母親になっていく人生を嫌いながら、人一倍やさしく母性豊かなところがあり、なのに男ではなく同性に向けられる女心。よくわからない妙なギャップ。治子もまだ二十四歳と若く、自分を見切れる年齢でもないだろう。

 そんな治子がはじめて知ったSMでどう変わっていくのか。この場限りのことと受け流すのか、それともいきなりはじけたりするのだろうか・・そのへんがこれからの仕事にも出てくると思うからだ。
 女とは面白い性だと友紀は思う。誰しも程度の差はあれ多面性を持っていて、あるとき突然変化したりするものだ。表向きの人格もそうだが、とりわけセックスにそれを感じる。友紀自身がそうだった。子供を持たないDINKSというだけで、いたってノーマルなつもりでいた。サリナを知ってレズに目覚め、次の瞬間S女の自分を突きつけられる。夫とはごく普通にまじわって、そのじつレズで女王様。
 そう思うと、つくづく女はわからないし、だから女は面白いと感じられる。

 心地よさを楽しんで、サリナの頬をちょっと撫でて立ち上がり、さて次は誰が動くか。そういう観点で見るならyuuだって面白いし、ケイなど特に激変しそうなタイプ・・。
 友紀はちょっと笑いながら言った。
「お次はだあれってことですけど、ちょっと妙案・・ケイちゃんは最後にしてね。その代わりサリナを貸し出します。それからは二人ずつに分かれましょう」
「わぉ・・それってスワッピング? ふふふ」
 案の定、キラキラ眸を輝かせるケイ。この子は怖いと内心思う。
 友紀が言った。
「というか、サリナを躾けてみないかなって思っただけよ。嫌?」
 ケイは嬉々として身を乗り出して、嫌じゃないと首を振る。

 そんなケイに治子は横目。『しょうがない女』と言うようにちょっと困った眸を向けた。ケイにはSの資質があり、それが積極さを生んでいる。治子は逆。刺激されて動く受け身の側。内心怖く、それでいて期待もある。二人になったときケイがS役にまわりそう・・そんな思いだったのかもしれない。
 治子の気持ちは見透かせる。

 そしてそのとき、あのyuuが椅子を離れた。数歩の距離を歩むyuuの白い背にうっすらとだが鞭痕が残っている。房鞭ではできない鞭の条痕。一本鞭の痕。厳しい主に躾けられた性奴隷を物語る姿だったが、友紀にはそれが誇らしいもののように思えてならなかった。この人と見定めた主に委ねた二十八歳の女の生き様をその女体が見事に表現するようで・・。

 サリナの顔をまたぐときyuuは逆さにまたぎ、躊躇なくパンティを下ろしながら腰を沈めた。横から見ていても陰毛のないデルタ。熟れた女体は均整がとれていて、白い尻にいっそうくっきり鞭痕が残っている。腰を下ろしたyuuは奴隷の両方の乳首をつまんでやってコネながら言い放つ。
「アナルだけでいい、丁寧にね」
「はい、yuu様」
「乳首こうされて気持ちいい?」
「ああ、はい・・ありがとうござ・・」
 尻谷が唇にかぶさって、yuuは腰を反らせて目を閉じた。ぴちゃぴちゃと舐め音がくぐもって、yuuが熱い吐息を漏らしだす。
 それにしても・・サリナはどんな想いだろう。一時期憧れた細川が育てたM女。バロンのマスターに出会ったときすでに彼にはyuuがいて届かなかった想い・・そのyuuに奉仕しながらサリナは複雑だろうと考える。
 yuuは少しの間舐めさせて、性器に蜜濡れをとどめたまま、さっと立ってパンティを穿き直す。

 ケイが、次はあんたよと言うように治子の背をぽんと突いた。予想したとおり治子はちょっと尻込みするようにケイの元を離れて立って歩み寄る。 

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