2016年12月22日

潤な話題(一)


時代劇のむずかしさ


何をおいても時代考証。時代劇の基本だと思いますね。

極端な例をあげれば、信長、秀吉、家康の順を間違えたり
すれば歴史が変わってしまう。極端すぎる?

僕は『いい加減な時代劇』と言っていますが、江戸時代を
描くもののほとんどは江戸が安定する四代将軍以降のも
のが多いのではないか?
まして官能系小説であれば、悪代官、悪同心、エロ家老、
渡海屋などという悪徳商人が登場し、どこぞの姫君を捕ら
えて陵辱する・・なんて図式が許されるわけですね。読者
は歴史小説なんて求めていないし、難しいことはどうでも
いい。

いま書いている「おんな屋あさり」は三代将軍家光の頃で
すが、おなじみ町奉行所も、あの大奥も、御三家さえも確
立していない時代だから、下手に書くと書き手の馬鹿さ加
減をひけらかすものになってしまう。書いていてじつは怖
いんですよ。プロ作家なら出版社のほうで歴史学者に時
代考証を任せたりするのでしょうが、僕だとそうはいかな
い。

しかしです、ポイントなのは「歴史小説ではない」ことなん
ですね。大河ドラマの原作ではありません。
厳密かつ緻密な時代考証よりも、物語として面白いかどう
かを基本とすると、大ボケきわまりない間違いは別として、
たとえば本能寺で信長は死ななかったと仮定すると、とん
でもなく面白いものが書ける気がする。
まして官能色を濃くしようとすると、面白さを追求してこそ
の『小説』ではないかと思うんですよ。

忍者。風魔、伊賀、甲賀、根来~と有名どころはあるにせ
よ、戦国時代以前から記録に残るだけで七十余流はある
と言われている。忍びとはスパイであり、いわゆる忍者で
ある必要はないわけだから、敵方に潜り込むという点で、
無数に存在したと言ってもいい。

とにかく通して書き切ること。それが草稿。緻密な時代考
証は後からすればいいと思っています。

細かいところでは、着物や履き物、髪型、武家屋敷と町
屋の造りの違い~うーん、言葉もそうですね。リアリティを
出そうとして時代言葉を使ってしまうと、現代の読者には
わからないものになってしまう。

時代劇を書くのは難しいから面白い。調べてみて、そうだ
ったんだ! と思うことしきり。知らないとは怖いことだと
思います。

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