女の陰影

女の魔性、狂気、愛と性。時代劇から純愛まで大人のための小説書庫。


二一話~銭の重み


 香風から戻った、嵐、江角、お涼、三人の風呂上がりを待つように夕餉の支度がされていた。お真知は江角に引けを取らず料理が上手かった。一口食べて嵐は驚く。考えてみればあたしはろくにできない。そう思うと剣に明け暮れた日々が思い出され、すでにない母や父や、如月一族の皆のことを思い出す。
「それでね」
 陽気のいいいま渡し板で塞がれている囲炉裏を囲む席で、いきなり切り出した嵐の言葉に皆は目をやった。
「約束通り、あたしら五人に千両ずつ。それは約束だから五人には一箱ずつ配るけど。けどね、残り九百両のはずが千両ずつ入っている。すでに百両もらってるから、つまりは五百両多いってことになる。そこで皆に相談なんだが、百両ずつ出してくれないか」
「私ならいいよ、なんなら百両だけでもいいぐらいさ」
 江角が言って皆が見た。
「これからの私たちのために使って欲しい。代わる者のない仲間だ、ここを出たらまた彷徨う。もう嫌だ。お紋ではないけれど、もう嫌だよ」
 
「あたしも。千両箱なんて荷が重い」
 と、お菊が言った。
「あたしもだね、怖くなる金子だよ」
 と、お涼が言った。
「・・うーん、ならあたしも」
 未練があるのはお雪らしい。しかしお雪は穏やかに笑ってお燕に目をやりながら言う。
「けどそれじゃ不平が出るね」
「不平とは?」
 と、江角がお雪を見つめた。お雪が言う。
「お燕にはないのかい? それにお真知にも? お真知には身の回りのものだっているだろう。お燕なんて懸命に働いてくれてるんだ」
「いえ・・あたしは・・」
 お燕はとんでもないと言うように目を丸くして首を振る。
「あたしはお店でもらってるから姉様たちのお役に立てて。あたしは身の回りのお世話だけなんだし・・」
 そういうお燕をお雪は見つめ、さらに言う。
「ほらね、健気だろ。だからさ姉様」
 嵐はうなずいて皆を見渡す。
「わかってるよ、ありがとね、お雪。ではお燕にも百両、お真知には・・」
 と言ってお真知に目をやったとき、お真知は言った。
「あたしなんて・・そりゃ着物はいるけれど・・。なら姉様、仏壇が買えるだけくだされば」
「仏壇? ここに置くのかい?」
 お真知はうなずいて、つぶやくように言う。
「一生手を合わせていたいから」
 嵐は皆を見渡した。皆の面色はやさしかった。
「わかったよ、ではそなたにも百両」
「百両・・そんなにはいりませんから」
「いいからもらっときなよっ、姉様方の気持ちじゃない」
 隣りで食べるお燕が、正座で座るお真知の肩をぽんと叩いた。

 嵐はちょっと困ったように小首を傾げて言う。
「さて最後に結だね。どうしたものか・・」
 お菊が言った。
「いっそ殺せとほざいてやがる。可愛げのない女だよ」
 皆は声を出さなかった。

 夕餉を済ませ、上にお燕とお真知を残したまま、五人は地下へと降りていく。 牢の中の結は、牢に入れられてから幾日も風呂など許されず、結った髪もとうに乱れてばさばさで、糞尿の臭いも漂って、それこそまさに獣の匂いに満ちていた。着乱れた浴衣姿で力なく脚を投げ出して座っているのに、目だけはぎらぎらと敵意が宿る。
 嵐は牢の前にしゃがんでそんな結を見つめ、ちょっと睨み合って言うのだった。
「ふうむ・・どうしようもない女だね」
「やかましい、殺せ・・」
「お紋は死んだよ」
「何・・」
「おそらくは好き合った男と刺し違えて一度は死んで、しかし蘇って白き般若となって化けて出た。自刃しても死ねないなんて惨いものだね」
 結はちょっと目を伏せて思いをはせるようだった。
 嵐が言う。
「けどね、そんなお紋も二人の手下もろとも侍どもに襲われたさ。口封じだよ」
 結は目を合わせようともせずに聞いている。うつむいたまま目を上げない。

 そんな結が眸を上げて言う。
「嘘じゃないな?」
 嵐はうなずく。
「おまえに嘘などついてどうする」
 そして嵐は、お雪に言って大きなタライに湯を用意させ、牢の前に置き、それからお菊とお涼の二人に言った。
「出してやりな」
 それから結に向かって言う。
「体を拭け、臭い。その間に誰か牢を掃除してやるんだね」

 牢から引きずり出されて周りを囲まれ、裸となった結は、大きなタライにしゃがみ込んで手拭いを絞っている。体つきはお真知ほど。乳こそ小さかったがくびれて張る男好きする体をしている。肌は若く、目立った傷のない綺麗な体。しかし牢暮らしで痩せ細り、肋が浮き立ってしまっている。
 女ばかりの中、地べたに片膝をつき、体を拭いて、用意された着替えの浴衣を腰巻きをせず裸に着込む。それでも髪までは洗えず、少し匂って臭かった。
 その間にお雪とお菊で牢の中を掃除する。二人が出て、結をすぐには牢に戻さず、ムシロを敷いて座らせる。
 段差のあるわずかばかりの板の間の縁に皆は座り、そんな結を見下ろした。
 蝋燭の灯火はいかにも弱い。

「世をすねてどうする。少しは考えたらどうだ」
 江角が言い、続けてお雪が言う。
「いまのままでは道はない。尼となる資格すらない。お天道様を見ることもできないだろう。まあ、おまえ次第さ。おしろい般若は失せた。我らは公儀の者ではないからね、死罪のどうのと言える身でもないんだよ。死にたいなら匕首をやろうじゃないか。牢の中で惨めに死んでいくがいい」
 答えようともしない結。
 もういい入れと嵐が言い、立って背を向けた結に向かってさらに言う。
「おまえには耳もある、頬も綺麗だ。お紋の苦しみを考えろ。好いた男と刺し違え、それでも死ねず・・天狗とやらの法力だろうが、生き返ったところで修羅の道ぞ」
 それから嵐は皆に向かって言った。
「こやつはだめだ、自ら魔道を選んでいる。しばらくは牢暮らし。それでだめならそのときは・・いたしかたないだろうね」
 それでも結に声はなかった。嵐の言葉を聞きながら牢の口をくぐって入る。
「おまえの役目は探りだね?」
 と、江角が問うた。
「・・そうさ」
 吐き捨てるように言う、結。
「酒膳の親爺も仲間だな? もはや隠す意味もなかろうて」
 結は牢の中に座り直してこちらを向くと、わずかだが弱くなった眼の色で江角を見上げた。
「仲間と言うならそうだろうけど般若じゃない。甲賀の草さ」
「豊臣の手か?」

 結はうなずき、しかしもはや違うと言った。
「・・何もわかっちゃいないんだね。豊臣徳川と二分するが、西方では身を偽る者はごろごろいる。徳川とて豊臣の家来の一人だよ。豊臣に心を残しながら徳川に仕える者は多いし、そのじつどちらでもない者もいる」
「尾張にも入り込んでいるんだろうね?」
「ふんっ・・それだけじゃないさ、小早川の残党もいれば・・あたしらだって生きている。獅子身中に虫だらけ・・けどあたしにはどうでもいいことさ。あたしら一族などおしまいだ。銭のためなら何でもやる」
 そして結は、如月夜叉の頭である嵐を見つめた。
「お察しの通りだよ、尾張に巣食う虫が糸を引く。尾張周辺で関ヶ原の前に寝返った者を探れ。そこまで言えばわかるだろうが、尾張だけのことでもないのでね・・」
「お紋に拾われたんだな?」
 嵐に言われて結はうなずく。
「じかにじゃない、手下どもにさ。商家を探って女をさらう。役目はそこまで・・」
 お真知と同じような下っ端。お真知と違うところは乱世への恨みが強いということで。

 そのとき、万座には行かず屋敷を守ったお菊が言った。
「あたしらで話した」
 嵐と江角がお菊を見て、お涼は、そのときうなずく素振りをしたお雪へと目をやった。
 お菊が言う。
「こやつは喋った。万座と知れたのもこやつが喋ったからだ」
 お雪が言った。
「生きる道もあるんじゃないかってね」
 牢の中から結が目を見開いて見つめている。
 嵐は、そんな二人にちょっとうなずき、ふたたび結を見据えて言う。
「我ら如月夜叉は、女の敵は女が葬る・・そうしたものだ。生きる道が残る者を殺したりはしない。そこをよく考えろ」

 声を失った結を残して上へと上がった五人と入れ替わるように、お燕が握り飯と味噌汁を持って降りて行く。
 嵐は、結ががつがつ獣のように喰っているとは聞いていた。それが望み。生きようとするから喰う。
 そのときお燕は、結が喰う姿を牢の外にしゃがみ込んで見守っていた。
 お燕が言った。
「お紋て人、いっぺん死んで生き返ったそうじゃないか」
 結は握り飯に喰らいつきながら目を上げた。
「女房みたいなもんだとよ」
「女房・・?」
「天狗様に救われたのさ。惨い責めで化け物にされた女なんだよ。恨みの深さがどれほどのものか。あたしだって、そんな頭に救われた」
「どういうこと?」
「銭だよ。それしかないだろ。主家の滅んだ忍びなど地獄。散り散りとなるが常だが、それは仲間から逃げようとするからだ」
「仲間から逃げる? どうして?」
「抜けたいのさ。忍びを抜けて、まっとうに暮らしたい。けどね、そうなると我が身一つ。下働きでは喰えないし銭が欲しくばと体を狙われる。女郎に身をやつす者もいる。まっとうに生きようとすればするほど苦しくなる。銭の重みを身をもって知るんだよ」

 お燕は結を見つめて聞いていて、己の身の上を話して聞かせた。
「けど、あたしなんてどうってことない。お雪の姉様は女陰働きだったって・・敵の枕で破瓜の痛みを知ったと言っていた」
 結の面色が微妙に変わった。お燕の声を聞いている。
「抱いてくれた男が毒にもがいて死んでいく。そうやって役目を果たしても、夜な夜なうなされて苦しんだって・・それであたしね」
「うむ?」
「くノ一に生まれなくて幸せだったんだなって思ったんだ・・いろいろあったけどそこらの町娘なんだもん。姉様方が可哀想・・それは結の姉様も・・」
「・・もういい、つまらん話はするな」
 結は、喰い終わった皿と椀を盆に載せ、突っ返すように差し出した。


二十話~白き般若


 それからさらに二日を待たなければならなかった。

 山深い湯治場へと通じる道筋に女の影が二つ。時刻は昼の九つ(十一時過ぎ)。女たちは二人ともにまだ若く、三十代のはじめかと思われた。それぞれに髪を結い、辛子色に格子柄、若草色に縞柄と、明るい色香の漂う着物。太花緒の旅草履に脚絆を巻き、編笠と白木の杖を持つ旅姿。ところどころ傾斜のきつい坂道をものともせずに歩き通すいい脚を持っている。
 背丈もこの頃の女としては高く、引き締まった体つきとスキのない目配りからも明らかにくノ一。二人は湯治場へと脚を踏み入れると、迷わずお紋のいた宿へと向かうのだった。

「もしや、さっきの棺桶・・?」
「おそらくね。向かうよ」

 お紋の死を知ると二人はすぐさま引き返し、足早に山を降りて行く。
 お紋と、平九郎と言う鬼のような男の屍は、役人の調べを終えて棺桶に入れられて、一足違いで麓の村との間にある山寺へと運ばれた後だった。ここまで登って来る間にすれ違った棺桶二つを載せた荷車。女たちはお紋を追うつもりなのかもしれなかった。

 小さな山寺には老いた住職が一人。ここら一帯で死人が出ると、運んだ人々自らが穴を掘って埋めていく。山の埋葬は火葬ではない。火は山火事の元として忌み嫌う。棺桶は白木でこしらえた丸い樽。和尚に供養をしてもらい、なだらかな斜面を拓いた墓場に葬って帰るのだった。
 雲のない晴天。すがすがしいまでに透き通った山の空気が陽光に輝く緑の斜面を浮き立たせていた。
 ところどころに目印の樹を残して拓かれた墓地には、夏になって下草が薄くはびこっていた。棺桶を埋めて丸太で作った墓標を立てる、あるいは墓石代わりの石を置く、それだけの墓である。
 お紋にも平九郎にも宿帳に書ける身元などはない。無縁仏は斜面の奥側の寺から離れたところに葬られる。湯治場から荷車で若い男たち三人によって運ばれた。

「うわあぁーっ! 天狗だぁーっ! ぎゃぁぁーっ!」

 かすかな悲鳴が風に乗って寺へと流れる。
 和尚は気づいて寺を出たが、年寄りでもあり坂道では歩みが遅い。仙人のような曲がり杖をつき、やっとの思いで斜面を登ると、棺桶を運んで来た三人が気を失って倒れていた。
 三人のうちの二人は額が割れて血を流す。もう一人は虫の息。三人ともに当て身。棒で殴られたようだったが死んではいない。
 和尚は息を切らせて歩み寄り、倒れている三人と、蓋が開いて横倒しになった棺桶の片方を見渡して呆然とした。男の棺桶は蓋をされて縄掛けされたままである。倒れた棺桶はからっぽ。

 ・・お紋が消えた。

「おい、どうしたんじゃ? 何があった?」
 虫の息の若者は和尚に抱き起こされて、その腕の中で呻くように言う。
「て・・天狗様が・・女が・・女が生き返った・・」
「何ぃ天狗じゃと? 屍が生き返ったと申すか?」
「か、かっ・・烏天狗・・ぅぅぅ・・」
 若い男は気を失った。和尚は倒れた男たちの首筋に手をやって、死んではいないことに安堵すると、墓地の周囲の鬱蒼と茂る原生林を見渡した。

 湯治場からすぐさま取って返した旅姿の女が二人。岩場を抜けて森が豊かになるあたりで、二人の行く手に三人の如月夜叉が立ちはだかる。
 お涼が言った。
「待ちな、おしろい般若のお二人さんよ」
 敵の二人はものも言わず顔を見合わせると、即座にこちらの闘気を受け取って仕込み杖から白刃を抜き去った。編笠を払い身を沈めて身構える。二人ともに目つきが鋭く、かなりな腕と見てとれた。
 嵐とお涼が抜刀し、江角は八角棒。互いに身を沈めて対峙する。

 しかしまさにそんなとき、道筋の坂下から家紋のない着物を着込んだ十余人の侍たちが一斉に抜刀しながら駆け寄って来る。
 侍たちは嵐ら三人と敵二人との間に立ちはだかり、数名が嵐ら三人を取り囲み、残る数名が敵二人へ斬りかかる。嵐ら三人を囲んだ侍たちは足止めさせるだけ。刃を向けるも斬りかかろうとはしなかった。
 男の一人が言った。歳の頃なら三十代の半ばだろう。
「そなたらは退け、関わるなら斬る!」
 嵐ら三人は囲まれて動けない。
 一方の女二人は、侍たちと刃を交えながら山上へと遠ざかって行き、嵐らとの間が開いていく。

 夜叉三人が背中合わせに三方へ向かいながら、嵐が言った。
「口封じってわけだね、般若は用済みってことかい?」
 侍たちの仕切りなのだろう、三十代半ばの男が見下ろすように言う。その男は腕がたつ。静かだが並の気迫ではない。
「詮索は無用ぞ、手を出すな」
 男たちにじりじり間合いを詰められて嵐ら三人は押し返される。討って出て囲みを破れないわけではなかったが、相手は皆弱くはなかった。
 彪牙の言うようになったと嵐は思う。

 そうする間にも二人の般若は追いつめられる。二人ともかなりな腕のくノ一だったが相手は侍、しかも多勢。忍び装束ならともかくも着物姿では動けない。刃と刃が交錯し、女二人は背中合わせに身構えつつも殺られるのは目に見えていた。

「あれは・・」
 取り囲む男たちに向いていた嵐の視線が、男たちを飛び越えて、眩い陽光に滲むような背後の緑から獣のごとく躍り出た白い影に向けられた。

 鳥か! それとも魔物か!

 その刹那、男たちの悲鳴が上がり、嵐ら三人を囲んでいた男たちも一斉にそちらを振り向いた。

 道筋の左・・山側の大木の上から飛び降りた白い影・・白の忍び装束・・白塗りの般若面・・おしろい般若。金色に輝く不思議な刀がギラギラ光る。青竜刀を細身にしたような、武士の刀でも忍びの刀でもないものだ。
 動きが速い! 尋常な人の動きとは思えない!
 人の背丈を軽々飛び超え、猿のように木から木へと飛び移る。
 敵の女二人を囲んでいた男たち数名を、まさしく鳥のように宙を飛び、転がり駆けまわり、目にも留まらぬ速さで首をはねて倒して行く。神がかりと言えるほどの剣の技・・。
 
 嵐も江角もお涼も、それを囲む武士たちも呆然として動けなかった。
 あっという間に数名を斬り殺した白装束の影・・ケタ違いに強い!
 白塗りの般若の目の穴からギラリと光る女色の眼光が侍たちに向けられた。
「ふんっ、そういうことかい、口封じってわけだね。この二人はもらって行くよ、可愛い手下なのさ」
「おのれ! おい者ども、斬れぇーっ!」
「やかましいね! 帰って伝えな! この般若、いずれ首はもらいに行くと!」
 嵐らを離れた男たち数名が一斉に駆け寄るが、敵はくノ一。女三人は鬱蒼と茂る森の中へと消えて行く。

 この場に彪牙はいると嵐は思った。彪牙の敵は天狗のみ。天狗が現れるのを待っている・・。

 嵐が言った。
「退くよ」
「しかし」 と、お涼は言ったが、嵐は刀を収めながら言う。
「追っても無駄さ、もはや人にあらず・・化け物だからね」
 八角棒を降ろしながら江角が言った。
「お紋が生き返ったとでも言うのか・・」
 嵐はさらに「行くよ」と目配せすると、苦笑して言うのだった。
「恐ろしい女・・いずれ相まみえることになる・・」

 百合花が言った。
「そうですか、侍たちがそちらにも・・瀬田様も襲われましてね、そのとき敵が尾張訛りの言葉を発したと」
 嵐が眉を上げて言った。
「尾張・・まさか・・」
 百合花はうなずき、そのとき眉を上げた江角の面色へと視線を流した。
「尾張様とは限りませんよ。三河あたりから尾張、紀伊、京から大阪あたりには不穏の輩が蠢いている。瀬田様を襲ったのは明らかに同じ家中。ご公儀に不満をつのらせた者どもが先走り、私たち夜叉が動き出したと知って、もはや捨て置けぬというわけです。 『お家を潰す気か』と侍の一人が叱責したということですから間違いはないでしょう」
 江角が言った。
「なるほど、ゆえに口封じというわけですか。おしろい般若もまた使い捨て・・」
 百合花はうなずき、悲しそうな面色をした。
「それもまた許せません。お紋とか申す者の身の上も聞きました。反吐の出る裏切り。使うだけ使っておいて、いらなくなると葬り去る。くノ一を何だと思っているのか・・」
 百合花は、まだ見ぬお紋や手下二人の哀れな姿を思いやって目を伏せた。

 万座の湯を離れた数日後、江戸へと戻った三人はその脚で香風へ向かい、引き返して屋敷に向かって歩いていた。せっかく湯治場に出かけておきながら湯を楽しむどころでない。三人の心は傷んでいた。
 日和はよかった。夕刻まで間のある刻限で、薄雲のある今日、やわらかな陽射しが女たちをいたわるように滲んでいる。香風のある丘の上から見渡す海がきらきらと眩いばかりに煌めいた。お燕が坂の上に立って歩み去る三人をいつまでも見送っている。
 しかし三人には役目を終えても笑顔はない。肌を許した男と刺し違え、微笑むように死んでいったお紋・・あのとき確かに死んでいた。
 なのに死ねない。彪牙の言葉を信じていればよかったと嵐は思う。

「海はぁ~眩くぅ~その様はぁ~ぁ、ちょいと~好いたおなごの涙色~ぉぉ~♪おう! そなたら戻ったか」
 瀬田だった。嵐が応じた。
「はい、ご無事で何より」
「もうすっかりな。かすり傷だよ。拙者としたことが不覚をとった。斬られたことより女たちに褌姿を見られたことだ・・ああ、穴があるなら舐めてやりたい」
 相変わらずというのか、今日は桜裏地の茶色の着流し。赤い鞘の刀を腰に差している。お役者そのままのいでたちだ。
 お涼がほくそ笑んで言う。
「これから百合花様の?」
「うんうん、もうだめだ・・愛おしい・・胸が痛む・・乳が揉みたい・・むっふっふ」
「ちぇっ・・よくも言うよ・・」
 あまりの馬鹿馬鹿しさに江角が思わず呟いてそっぽを向いた。
 瀬田もまた眉を上げておどけて笑い、真顔に戻って言う。
「戻ってみよ、あの屋敷にはぬくもりがあふれておる」
 嵐が問うた。
「それは?」
「いいからいいから・・さて、では拙者はこれにて・・」
 瀬田は片目をぱちり。背を向けて歩み去る。
「♪~尼の肌身に身を焼かれぇぇ~錦絵もどきの~宵がくるぅぅ~あ、ちょいと・・はっはっは!」
「・・まったく、お気楽な・・」
 酒に酔うわけでもないのに鼻歌まじりにふらふらと歩いて行く瀬田の姿に、三人は、なぜかたまらないものを感じていた。可愛い男だ。
 江角が言った。
「さ、行くよっ、あんなのにかまってると子ができる」
「あはははっ、こりゃ可笑しい」
 江角らしからぬことを言う。二人は顔を見合わせて、久しぶりに笑った気がしていた。
 そんな江角は・・彪牙を想っているのだろうと、嵐は横顔をちらりと見た。

 そうやって、心が晴れたのか晴れないのかわからないような心持ちでそぞろ歩き、戻ってみると、厨にお雪、お涼、そしてお真知の三人が立っていて、明るく笑い合いながら夕餉の支度にかかっていた。
 中へ入った嵐は、真っ先にお真知の変わりように気づいたが、草履を脱ぎながら板の間への上がり框に座った三人の前に、お菊がお真知を連れてやってきた。何を言うかなどわかりきっている。
「ちょっと聞いてほしいんだ。あたしらで話したんだが・・お燕も入れて皆で話した。このお真知を六人目の如月夜叉にと思ってさ」
 お菊が眩しい。それは、こちらを振り向いて笑うお雪もそうだ。しばらく見ない間に二人は変わったと、三人それぞれに感じていた。
 お真知は黒髪も結い上げて、すっかり町女の姿。両手を前掛けの前に組んで目を伏せて、いまにも泣きそうな顔をしている。
 嵐は、ちょっと睨んだが、そっと手を取ってお真知を引き寄せ、ふわりと抱いた。
「皆でそう決めたなら、とやかく言うことじゃない。よかったね」
「はい、心底悔い改めて励みますので」
「きっとだよ。もういい、忘れるんだね」
 そして嵐は皆の目のある中、さらに抱き締めて目を見つめ合い、唇を重ねていくのだった。

 すぐ後ろに立つお菊・・あの白狐が目頭を押さえていること・・江角は気づき、目でうなずく素振りをした。
 泣いてしまったお真知が嵐から離れたとき、目を赤くしたお菊が嵐に言った。
「ついさっき両国の両替商だという者どもが訪ねて来まして」
「両替商が?」
「とは言うのですが、どこぞのお武家の家中の者ではと・・」
 と言って、二階へ向かって視線をなげる素振りをして、さらに言った。
「見たこともないから怖くて上に隠してあります」
「怖い? わかった。お真知」
「あ、はい?」
「悪いけど風呂にしてな、脚が棒だよ」
「はいっ! いますぐ!」
 このときお真知は、お雪の着物を着せられていた。濃い茶色に青の格子柄。それに茶色の前掛け。黒髪は誰かに結ってもらって清々しい。

 二階へ上がり、嵐と江角は、お涼と分かれて部屋へと入る。襖を開けると部屋の隅に千両箱が五つ、積み上げられてあったのだった。
 江角が笑う。
「ふふふ、なるほどね、これは怖いわ」
「あたしだって怖いさ、見たこともない・・」
 そして嵐が蓋を開けると、前金で百両ずつが配られてあったから、一箱に残り九百両のはずが・・千両ずつ入っている。
「ほんと夢みたいだよ・・人を斬ったわけでもなく・・」
 江角が言って、嵐がそっと蓋を閉ざした。


十九話~裂けた錦絵


 その日の夕刻、青山の連なる万座の景色は、稜線が影をのばし、斜陽に染まる赤い景観に山型の夜を配っていた。
 嵐、江角、お涼の三人は、麓から幾筋か続く湯治場への山道が絞り込まれて一つになる峠あたりを張り込んでいたのだが、その日は敵らしき者の姿はなかった。雲行きの怪しい湯治場の夜は漆黒の闇。鬱蒼とした森また森。道筋に動く者の気配は皆無であった。獣の気配すらを感じない。

 ちょうどその頃、江戸。
 昨夜からの雨があがり、心地よく冷えた初夏の夜風が流れていた。
 芝高輪の忍び屋敷まであとわずかという道筋に、錦絵侍の姿があった。左肩の欠けた蒼い月を見上げつつ、ふらりふらりと歩いている。
「月は~満ち欠けぇ~愛しやぁ~憎しやぁ~恋心~♪~っと」
 しかし鼻歌はぴたりと止まり、瀬田は茶色鞘の居合刀に手をかけて身を沈めた。
 道すがらの暗がりから侍どもが湧いて出た。十人はいただろうか。皆が浪人の姿を偽ってはいるが、そのきりりとした身のこなし、月代を剃り上げた髪型からも武家の配下の者と思われた。
「瀬田昌利だな」
「いかにも。このような美しき宵に何者か」
「問答無用、死ねい!」
 侍どもが一斉に抜刀し、輪となって取り囲む。瀬田はさらに身を沈めて刀身を横に少し倒し、寄らば斬るぞと身構える。
「ウリャァーッ!」
 キンキーン!
 刃と刃が交錯して火花が飛んだ。前から後ろから次々に白刃が舞い寄せては瀬田の剣に弾かれて、瀬田は囲みを破って輪を出るが、一瞬後にはふたたび囲まれて動けない。多勢に無勢、いかに居合の達人でもいずれ勝負はつくだろうと思われた。

 前からの突きがかり。横からの突きがかり。続けざまに繰り出される切っ先を払ったときに、後ろからの袈裟斬りに背中を浅くえぐられた。
「くっ!」
 一瞬膝が折れたものの、瀬田は斜め前へともんどりうって転がって、片膝となりながらも気迫を切らさず身構える。
「ふっふっふ、もはや勝ち目はない、覚悟せい!」
 群れを率いる大将格の侍が右斜に刃を振り上げ、踏み込みざまに斬り下ろす。しかし瀬田は一の太刀を受けきって横飛に地べたに転がり、起き上がりざまに一人の侍の剣と交錯、刃を跳ね上げ、返す刀で胴を浅く切り裂いた。
 一人が崩れる。しかしそのとき周りの二人が剣を振り上げ、ほぼ同時に踏み込みかけた。
 危ない! さしもの居合も敵の数が多すぎる。

 危機一髪! そのときだった。

「待たんかぁ! こん、たぁけもんどもがぁ、退けぃ!」
 やはり浪人姿に扮してはいるが、こちらもれっきとしたお抱え侍。数はさらに多く、十五人はいただろう。侍たちは一斉に抜刀して駆け寄って、瀬田を囲む十人の輪を蹴散らした。
 そのとき背走する侍の一人が言った。
「なぜだ! なぜ止める!」
 立ちはだかった群れの一人がそれに応じた。
「お指図よ! おみゃぁら家をつぶす気けぃ! 退けぃ!」
 先に襲った十人が顔を見合わせ、刀を収めて駆け去った。
 瀬田の味方ではない。同じ家中の者どもであり血気盛んな一派を諌めようとしている。瀬田と間に立ちはだかった十五人が、いっとき瀬田を取り囲み、しかし刀を収めて、中の一人が敵意に満ちた眼の色で鼻で笑った。
「ふふん、命拾いだったな・・者ども退けぃ!」
 影の波のように侍どもが暗がりへと消えていく。
 瀬田は刀を収め、けれども背を斬られて、女人のごとく白い錦絵顔が苦痛に歪む。

 女たちの忍び屋敷。戸を荒く叩く音。
 お菊それにお真知が刀を手にして立ち上がる。お燕は背後で怯えていた。このときお雪は地下に降りて結を見ていた。
「お燕いるか、俺だ・・」
「・・瀬田様?」
 板戸を挟んだやりとりだった。
「斬られた・・開けてくれ」
「ええーっ! ああ嫌ぁぁーっ!」
 お菊お真知を掻き分けるようにお燕が引き戸を開け、ふらつく瀬田に肩を貸し、瀬田が転がり込んで来る。
 お菊が言った。
「お真知、湯だ! それと酒だよ!」
「はい!」
 今宵の瀬田は黒地に紫富士の浮き立つ着流し姿。その背が斜めに切り裂かれ、血を吸って生地が濡れたようになっている。しかし一見して傷は浅い。

 帯を解いて白い褌だけの裸にし、板の間にうつ伏せに寝かせ、お真知に呼ばれたお雪が地下から飛んできて傷を診る。
「浅いね、よかった。けど動かしちゃだめだよ。お燕、サラシで押さえてな。ありあわせで薬を作る。その間しっかり押さえてるんだ」
「はいっ!」
 お菊がお真知に言った。
「あたしとおいで、庵主様を呼びに行く。仕込みを持て」
「はいっ!」
 お雪は毒使いの名手であり、つまり薬の名手でもある。
 厨に飛んでいったお雪は、深いすり鉢に乾かした薬草を並べ、すりこぎですりつぶして調合する。その間お燕は泣きべそ顔で背中の傷を押さえていた。
 お菊とお真知は走る。遠くはない距離だったが、こういうときは遠く感じる。二人ともに忍び。疾風となって闇を駆ける。

 すり潰した薬草を強い酒で練った茶色黒いものを、お雪は指にすくって傷に塗った。
「む・・むむむ」
「ちょいと沁みるけど血が止まる。紙を貼っての糊代わり。こうして傷を塞ぐんだよ」
「ああ、すまぬ。ぁ痛っっ! うむむ!」
 取り替えた白いサラシをお燕がひろげて傷にかぶせ、ふたたび傷を押さえつける。
 お雪が瀬田の白い肩に手をやって言った。
「しばらくの辛抱だ、血がとまればサラシを巻く。かすり傷だよ」
「ああ・・少し楽になった」
「相手は忍びかい?」
「侍だ、囲まれた」
「何者?」
「さあな、浪人姿だが・・それよりお燕よ」
「はい?」
「恥ずかしいぜ、褌姿を見られちまった」
「あ・・嫌ぁぁん、もう・・ぅぅぅ、よかったー!」
 瀬田は泣き出したお燕の膝に手をやって、鼻歌を。
「泣くなお燕よ~♪~小娘お燕~俺の尻でも眺めてよ~、胸がどきどき揺れていらぁ~・・っと。はっはっは」
「ふざけてる場合なの・・あぁんもうっ、憎たらしい」
 お燕は涙しながら苦笑して、瀬田の白い尻をパシンと叩く。
 そばでお雪は額を掻いて笑っていた。

 などとふざけていると、百合花と源兵衛、お菊とお真知が転がり込んだ。百合花は灰色柄の小袖の姿。落ち着いた色香が漂う。
「ああ瀬田様、大丈夫?」
「おおう、麗しの観音様よ、愛しいなぁ・・」
 斬られたと聞いて顔色を青くしていた百合花は、いつもの瀬田の声に、すぐそばに崩れ落ちるように座り込んだ。
「はぁぁ、よかった・・」
「傷は浅いが、でもよ、しばらくは抱いてやれんなぁ。尻ぐらいは撫でてやれるが・・くくく」
「い、嫌だよ、この人は・・もうっ、こうしてやるっ!」
「あ痛てて! すまんすまん」
 真っ白な男尻をつねりあげる百合花。皆の中にいて、尼僧だとばかり思っていたお真知は目を丸くする。お真知はまだ恋仲の二人のことを知らされてはいなかった。
 このとき、上からのしかかって傷を押さえるお燕と源兵衛が目を合わせ、源兵衛は眉を上げてちょっと笑った。
 百合花がお燕の手を取った。
「お燕、ありがとね、私が代わるからもういいよ」
「はい、よかった・・どうなるかと思ってしまって」
「うんうん、よかったね・・うんうん」
 百合花の瞳が潤んでいた。

 お菊が言った。
「いいもんだろ女って」
「ふふふ・・はい」
「庵主様のいい人なのさ」
「えっ!」
「しっ・・声が大きい・・」
 厨に立っていたお菊とお真知は、薬を作ったすり鉢を持ってやってきたお雪と目を合わせ、お雪は舌を出して笑って言った。
「羨ましいよ、べたべたと・・けっ」
「ほんと。ね、お真知」
「ええ、ちょっと信じられない気がします、尼さんだとばかり・・」
「女は可愛いものなのさ。おまえのしたことをよく考えないとね」
「はい」
 うなだれるお真知を、お菊がそっと抱いてやる。
 いつの間にか源兵衛が消えていた。香風へ戻って行ったのだった。

 お真知は、誰に言われたわけでもないのに、庵主と、横たわる瀬田の前へと歩み出た。
「庵主様」
「おや? そなたは誰でしたっけ?」
「え・・」
 そして白い男背の傷を押さえながら瀬田に言う。
「そうそう、気が動転して忘れていました。あのね瀬田様」
「うむ?」
「この子、如月夜叉の六人目、お真知って言うのよ」
「ほほう、お真知・・そうかそうか、いい女が増えてくなぁ。よろしくな、お真知よ」
「ぁ・・はい・・こちらこそ・・」
 お真知はもう言葉をなくし、ただ震えて泣いていた。
 嬉しいのはお燕だった。厨に来て、いまにも笑顔が弾けそうだ。
 お雪がお菊に向かって小声で言う。
「如月菩薩」
「なんだって?」
「百合花様さ。そっちのほうがいいんじゃない?」

 しばらくして血が止まり、瀬田は二階へ移されて、嵐と江角のいない八畳へと移された。布団を二組並べて敷いて、百合花がずっと付き添っている。
「そうですか尾張の言葉を・・」
「そうに違いねえぜ。おそらくは江戸詰の者たちが勝手な真似をしたんだろう。国元では泡を喰って、人をよこして諌めにかかる・・そんなふうにも思えたが」
「それにしても尾張とは・・」
「いいや、まだそうとは決められねえな。上方はきなくさい。そのじつ大阪つながりのご家来衆ってこともある」
 声が弱くなっていき、瀬田は眠りに落ちていく。
 尾張と言えば徳川御三家。尾張あたりからも商人たちは江戸へと流れて来ていたし、関が原を境に豊臣から寝返った家来衆も多くいて、そのじつ豊臣に心を残している・・敵は皆目霧の中・・。

 百合花はそっと部屋を出ると、まだ下にいる皆のところへ降りていった。
「瀬田様は?」 と、お燕が訊いた。
「おやすみになりました。痛みもなくなったようですね。・・お雪」
「はい?」
「みんなもよ、ありがとう」
 百合花は女たちを見渡してうなずくと、その背後に隠れるようにしているお真知を見た。
「ですけどお真知、すべてはこれからの所業です、許されたと思ってはいけませんよ。心の中で手を合わせ、せっかくの忍びの技を正しいことに向けていく。よろしいですね」
 お真知は情が身に沁みて涙があふれて止まらなかった。
 そんなお真知の背を、お燕が寄り添って撫でている。

 そしてお菊が言うのだった。
「下に一人、結というくノ一が」
「そのようですね」
「どうしようもない性悪で、怒鳴ったり暴れたり。それでお雪が薬をやって落ち着かせてはいるんですが」
「嵐が戻るまで待ちなさい。ここは公儀の場ではありません、皆でよく話して決めればよろしい。改心するなら生かす道はある。でなければ・・まあ嵐に委ねましょう」
「はい、ではそのように」
「ただね、私は尼僧だった女です、そこを少し考えてくれるといいのですが」
「わかりました、そのように伝えます」
 できるなら殺さずにということなのだが、このときお菊は、それを伝えればいいと思っていた。
 ところが百合花は、お菊に歩み寄ると白い指先でお菊の額をちょっとつつく。
「それは違いますよ」
 お菊は伏し目がちに目を見開いた。
「・・と申されますと?」
「あの者たちはいまはいない。そなたらでまず話し、どうするかを心に決めて、それから嵐に告げるようにしなければなりません。でなければ留守を任せられなくなりますからね。頭の言いなりの忍びではいけません。一人ひとりが正義をもって動かないと」
「はい、心得違いをしておりました」
「うんうん、みんないい子・・私は嬉しい」
 百合花はお菊の頬を撫でながら、一人ずつ皆の顔を見渡して微笑んで、それから腰を上げるのだった。

「愛しいお方のおそばにおります・・ではね、おやすみなさい」

 静かに流れて行くような艶花を見送って、お雪がお菊の肩に手をやった。
「・・如月菩薩・・けど怖い・・お見通しだ・・」
 お菊が眉を上げてちょっと笑った。

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